のれん制作は京都を中心に生まれ全国に広まったものですが、江戸のほうでは比較的、丈の短く横に長いものが好まれたそうです。これは手でサッと跳ね上げるのを粋とする江戸っ子の美意識から生まれたようです。
しかし、江戸にも様々な業種がありましたので、すべての業種でそのような横長の丈の短いのれんが使われていたとも考えられません。一方京都でも、業種によりさまざまなものがありましたが、今でも京のれんというと、ひとつのブランドのような存在にもなっています。
京都と江戸では美意識も違えば風習、風土も違いますので、 のれんにしても違いが出るとは思うのですが、どうも「こういうものが京都のもので、こういうものが江戸のもの」という明確な違いがないようなのです。むしろ業種などにより、使用するのれんに違いが出るほうが大きかったのではないかと思います。
風呂屋などでは、人の全身が隠れるくらいの大きなものを使用していましたし、飲み屋などでは、縄で編んだものをのれん状に並べて垂らしたものもありました。風土などより業種で違いが出るということはその頃からはむしろ、飾り、インテリアとしてのれんを活用していたのかもしれませんね。